紅茶・ウーロン茶・緑茶は同じ葉から採れると聞いたことがある方も多いかもしれません。
では、どうして味も色も違うのでしょうか?
どの段階から変わっていくのでしょうか?
今回は、これら紅茶・ウーロン茶・緑茶の作られ方の違いについてお伝えします。
工場で紅茶が葉から製品になるまでの流れ
まずは、葉っぱから、製品としてのお茶ができるまでをみていきましょう。
紅茶を例にしていきます。
1. 摘採(てきさい)
茶は、苗木を定植して3~4年経った木から、その新芽と2枚の若葉を丁寧に手摘みされます。
2. 萎凋(いちょう)
摘み取った生葉をしおれさせ、葉がよくよれるように水分を減らします。
干し方には2種類あり、棚の上に生葉を広げて陰干しする自然萎凋、
網の上に広げて温度調整された風を送る人工萎凋があります。
この萎凋をすることにより香り成分が増します。
3. 揉捻(じゅうねん)
葉の組織細胞をもみつぶし、酸化の発酵を促進させます。
そして葉によじれを与えて形状を整えていきます。
この揉捻をすることで、茶葉に含まれている成分を熱湯に溶け出しやすくなるのです。
4. 発酵
揉捻(じゅうねん)された葉を発酵室やタイルの上に置き、
味や香り、水分が適度な状態になるまで酸化発酵を進めます。
5. 乾燥
乾燥機に移動させ、100℃前後の熱風で3~4%の水分になるまで乾燥させます。
6. 等級区分
葉をふるいにかけ、形やサイズを揃えます。
茎や他の異物も取り除きます。
>>紅茶の茶葉は等級ランクで味が変わるの?最上級区分はオレンジペコ?
7. 配合
葉は同じ産地のものでも、収穫期によって香り、色、味が異なります。
安定した価格と品質で供給するために配合、つまりブレンドを行うのです。
紅茶 烏龍茶 緑茶 製法の違い
紅茶、烏龍茶、緑茶は同じ葉から出来ているというのを聞いたことがある方も多いかもしれません。
確かにその通りで、いずれも同じツバキ科の、カメリアシネンシスの葉から作られています。
しかし、製造方法の違いにより、3タイプのお茶が作られるのです。
紅茶の製造方法
萎凋(いちょう)⇒揉捻(じゅうねん)⇒発酵⇒乾燥
つまり、
水分飛ばす ⇒もみつぶす ⇒発酵させる ⇒乾燥という工程。
発酵の段階で酸化酵素の働きが強まります。
乾燥の段階で酸化酵素が停止します。
烏龍茶の製造方法
萎凋(いちょう)⇒揺青※1(ようせい)⇒殺青※2(さっせい)⇒揉捻(じゅうねん)⇒乾燥
※1 揺青(ようせい):茶をゆすりながら攪拌する
※2 殺青(さっせい):釜などで炒る
つまり、
水分飛ばす ⇒攪拌 ⇒炒る ⇒もみつぶす ⇒乾燥という工程。
殺青(さっせい)の段階で酸化酵素が停止します。
緑茶の製造方法
蒸す ⇒冷却 ⇒揉捻(じゅうねん)⇒乾燥
つまり、
蒸す ⇒冷やす ⇒もみつぶす ⇒乾燥という工程。
蒸す段階で酸化酵素の働きが停止します。
葉を摘んでから、すぐに蒸す作業をすることで発酵を止め、あの綺麗な緑色を保つのです。
まとめ
紅茶・烏龍茶・緑茶は、いずれも同じツバキ科の葉から採れるものですが、製造方法によって3タイプのお茶ができることがお分かりいただけたと思います。
私たちが普段何気なく飲んでいるお茶は、大変手間暇かけて作られているんですね。
今まで以上にじっくり味わいたくなります。
お読みいただきありがとうございました。
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